⽇本アカデメイア事務局
公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部
発足趣旨
発足趣旨
「日本アカデメイア」発足宣言文(趣意書)
いま、世界は大きく動揺し、わが国はこの数年の間に多くの重要な選択を行わねばならない歴史的な節目を迎えています。そして、わが国が今日の国内外の危機を乗り越えていくためには、何よりも先ず、私たちの政府や政治の人的・知的基盤、組織・制度的基盤を根本から考え直さざるを得ない事態に立ち至っていることは、すでに多くの国民の合意するところであろうと思います。
とりわけ、困難な時代に立ち向かう日本社会の精神的エネルギーと人材をいかにして活用・涵養するかは、いまや喫緊の課題であると言わざるを得ません。私たちはこのような認識のもと、①日本に眠っている国民の知恵と経験、人材を結集しうる環境を整えるとともに、②日本の将来を担わねばならない公共人材を各界が短期的な利害得失を超え、長期的な視野に立って支えていくための取り組みを開始しなければならないとの結論に至り、ここに、「日本アカデメイア」を立ち上げることを決意いたしました。
「日本アカデメイア」は、日本の公共を立て直すための各界をつなぐハブ組織であり、人材と知と経験の交流の場であることをめざします。私たちはこの営みを、日本を担うことが求められている政治リーダーや官僚と国民各界が交流し、ともに学びながら、日本の直面する課題や時代認識、経験を共有し合うところから始めたいと思います。
いま、私たちは、過去の手法を漫然と踏襲し、状況に逐次対応することでは到底対処できない時代の只中に生きています。「安住の精神」で物事を処理しようとするリアリズムの深刻な欠如が、日本社会の危機をさらに増幅させています。
こうした時代にあっては、私たちは、「基本に帰る」必要があります。「基本に帰る」とは、物事の本質を見極める精神的な意味でのタフさと実力を身につけることに他なりません。原理的な問いを出し合うことによって共感力と想像力を鍛え直し、知の体系化をうながし、リーダーのなすべきことを自己確認し、再定義する各人の真摯な取り組みが必要です。そして、そのための環境を整備することが、いま各界に求められています。
私たちが、新たに発足させるこの組織を「日本アカデメイア」と名付けたのも、そうした根源的な問いかけを始めることこそが、日本の急務であると考えるからです。私たちは、こうした思いを胸に、経済界、労働界、教育研究機関、学識者など問題意識を共有する国民各界の心ある方々に呼びかけ、ここに、「日本アカデメイア」を立ち上げます。
2012年2月19日
「日本アカデメイア」発足懇親会